ご法事を併せて勤めていいのでしょうか?
お葬儀のあと、ごく稀に、「初七日のご法事と併せて、四十九日満中陰も勤めていただけないでしょうか」と、おっしゃるご遺族があります。よほどお忙しいのでしょうか。それに対して、「わかりました。満中陰と言わずいっそのこと初盆も、一周忌も、なんなら三回忌くらいまで併せてお勤めしたら…」と申し上げると、「いや、そこまでは…」と躊躇されます。
ご法事は、お浄土に往生された方を心から偲び、そのご恩に感謝し、あとに残る者が仏さまのみ教えをいただく大切な仏事です。返答は少し意地悪だったかもしれませんが、ご法事を併せて勤めるというのは、仏さまのことよりも、私たち人間の都合で物事を考えていることに他なりません。ですから、ご法事は定められた日に、その都度勤めるのがよいのです。
しかし、「今年四月は父の五十回忌、九月は姉の七回忌になります。年に二回もご法事の案内状を親戚に出して、出欠を取って、会食のための予約をして…。費用もかかりますし、親戚にも心苦しくてどうしたら…」というような場合があります。
先ほど申しましたように、それぞれに勤めるのが理想なのですが、おっしゃる通り、親戚には会社勤務の方もいらしたり、遠方の方もおられることを考慮すると、常識の範囲で併せて勤めても止むを得ないことでしょう。
覚照寺では、年に二つのご法事が重なった場合、どちらかのご命日に併せてご法事を執り行い、併せて勤めた方の本当のご命日には、親しいご家族だけで、お寺であらためて勤めるようにお勧めしています。
人間の都合で仏事を略することは容易いことですが、それは自分の一度きりしかないいのちを見つめる機会を略することにつながるからです。
2005年06月13日【13】
仏事よくある質問
- ご法事の案内文・挨拶等の基本を教えてください。
- お正月にご法事…どうしても「精進料理」か?
- 「お彼岸」ご門徒にしてほしいこと…?
- 中陰のお参り(お勤め)はどこでするのですか?
- 「初盆」…一番大切なことは?
- 浄土真宗の正しいお墓の立て方を教えてください。
- お寺の龍の彫刻や飾りにはどういう意味があるの?
- 年回法要はいつまで勤めるのですか?
- 仏事の場で心得ておきたいこと
- 初詣…門徒のお正月は?
- お仏壇はどちらに向ければいいのですか?
- 「永代経」とはなんですか?
- ご法事の案内状の正しい形を知りたいのですが…?
- ローソクの灯りとお線香は終日点火するのですか?
- 「お盆」とは、どのような行事なのですか?
- ご法事を併せて勤めていいのでしょうか?
- 「法名」「戒名」いったいどっち?
- 法事の日を遅らせてはいけませんか?
- お仏壇の中に仏さまがいっぱい・・・いいのかな?
- 故人の写真はどこに飾るのですか?
- お仏壇にお供えする花に決まりがありますか?
- 「お性根入れ」「お魂入れ」は必要ですか?
- 「四十九日」が三月にまたがるとよくないことが起こる?
- お仏壇に、お水やお茶はお供えしないのですか?
- 「北枕」で寝るとよくないことが起こる?
- 「お彼岸」について教えてください。
- お仏壇のお飾りのしかたと、意味を教えてください。
- 仏事の際の、金封の表書きはどう書くのですか?