9月16日~まことにありがたく素晴らしいこと
彼岸花が燃え立つように咲く季節です。
さて先日、美容室に散髪に行きましたら、髪を切って下さる女性が私に、「『正信偈』ってすべての仏教に共通するお経なんですか」と聞かれました。
私は、「『お正信偈』は、浄土真宗の教えを開かれた親鸞聖人が書かれたものだから、仏教の宗派すべてではなくて、浄土真宗で拝読するものですよ」と答えました。
するとまたその女性は、「『正信偈』の一行一行には意味があるのですか」と聞かれたので私は、「そうですよ。一行一行に阿弥陀如来の本願と、その教えを受け継ぎ伝えてくださったお坊さん方のお徳と、私たちが救われる教えがまとめてあるのですよ」と答えました。
今度は私が、「あなたはなぜ突然に『お正信偈』のことを聞くの」と質問しました。
すると、その美容室に来るお客の女性が、ご主人が亡くなられたのを機に自宅で『お正信偈』を家族で毎日お勤めされるようになったことを話されたそうで、その女性は「お勤めをするとお供えしている百合の花が揺れて頷いてくれているように見える」とお話しになっていたそうです。
百合の花の名前は、わずかな風にも揺れるので「揺る」から来ていると言われますが、その女性や家族には、お仏壇の前で『お正信偈』をお勤めするたびに、亡くなられたご主人が頷いているように感じられるのでありましょう。
しかし、ご家族で毎日『お正信偈』をお勤めされるとはまことにありがたく素晴らしいことであります。
そしてそのお話が、美容室の女性の心にも響いて、『お正信偈』に少しでも興味を持って下さったこともありがたいことであります。
美容室で『お正信偈』のお話をしながら、お浄土にお参りになったご主人が仏さまとなって、奥さまやご家族にも、美容室の女性にも、この私にもはたらいてくださっていることを、ありがたく思うことでした。
2024年09月14日【460】