9月1日~米一粒も作れず…
先日の台風十号の後かたづけに追われていましたら、このテレホン法話の変更をすっかり忘れていました。申し訳ありません。
さて、その台風十号は各地で猛威を振るい、農作物にも大変な被害を与えました。被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
台風の被害に加えて、全国的なお米不足が報道されている毎日ですが、今年春に、褒章を受けられた俳優の段田安則さんが、受章のコメントを残されています。
「米一粒作れず、世間のお役に立っているとは思えない私が紫綬褒章を賜るとは、まさに望外の喜びです」
また、「俳優はゼロからは何も生み出せません。舞台の上、カメラの前に立たせてくださった方々、一緒に仕事をさせていただいた方々のお力添えに感謝いたします」とおっしゃっています。
「米一粒も作れず、世間のお役に立っているとは思えない」とは、農業を生業している以外の人は、私も含めて皆そうです。
身近なところでお米がなくなったとき、はじめてその存在の有り難さに気づきがちですが、このような言葉がすぐさま出るということは、段田さんは常日頃から、その有り難さを心から感じながら生活されているのでありましょう。
「俳優はゼロからは何も生み出せません」とは、俳優さんもそうですが、それ以外のすべてのお仕事もそうでありましょう。人間は一人では何も行うことはできませんし、一緒にお仕事をしてくださる多くの方々のお陰で、一人ひとりのお仕事も生活も成り立っています。
多くのいのちと皆さまのおかげによって、私の今日一日が成り立っていることにあらためて感謝したいと思います。と同時に、身近なところから、その多くのご恩に報いていく生活に努めたいと思います。
2024年09月04日【459】