2005年12月1日
朝夕の寒さの厳しさに、山々も紅く染まってきました。
さて、十一月三十日は、覚照寺仏教婦人会の研修旅行で、知覧の特攻平和館、そして同じく知覧の立山のかくれ念仏洞に参りました。
ちょうどその日は、広島市の小学一年生女児殺害の容疑者・ペルー国籍の男性が捕まった日でもあり、道中バスの中は早速その話題になりました。
参加のご婦人方は、孫達に、「知らない人から声をかけられたら、近寄ってはダメよ」「道路で道を聞かれても、すぐにその場を立ち去りなさい」と、注意しなければ…と、口々におっしゃっていました。私も幼稚園・保育園でたくさんの子ども達をお預かりする者として、同様のことを考えました。
その後バスは、知覧の特攻平和館に着き、特攻隊員のお話を聞きました。
特攻隊員の生き残りの方々の証言から、昭和二十年、爆弾もろともに敵艦に体当たりをした特攻隊員のお気持ちは、敗戦の色濃い日本において、この身をもってしても、どうにかわが両親を守りたい。兄弟を守りたい。家族を守りたいの一念だったそうです。自らの家族をはじめ、日本の安らかなる平和を願う一念だったそうです。
そのお話や、しっかりとした文字でつづられた遺書を拝見しながら、私は自分の生活する今の社会を恥じました。大変残念に思いました。
それは、子ども達に「大人を信じてはいけない」「近寄ってはいけない」と警告しなければならない社会とは何なのでしょうか。子ども達が、一般の道を安心して歩くことが出来ない、遊ぶことの出来ない社会とは何なのでしょうか。
今は亡き特攻隊員の方々がこの社会を見られるならば、さぞかし深く悲しまれることでしょう。
大きなことは出来ませんが、子ども達が安心して楽しく過ごせる社会づくりに精進せねばと、深く反省することでした。
なお、いよいよ覚照寺の報恩講法要が近づいて参りました。十二月十一日と十二日は、昼一時と夜七時三十分から、十三日は午後一時のみとなっています。お斎接待もあります。新しくなった本堂にご家族でお参り下さい。
2005年12月01日【4】