2005年7月01日
梅雨に入りましたが雨が降りません。農作物に影響がないか心配する毎日です。
さて、世の中は寒天、ところてんブームのようです。どこのお店でもよく売れているそうで、この火付け役はあるテレビ番組だったようです。
でも、寒天やところてんがノーカロリーで健康食なのは昔からよく知られたことで、今さら…と思いながら、わが家の冷蔵庫を開けてみると、ご多分に漏れずちゃんとところてんが入っていました。テレビ番組の影響はすごいものです。
テレビが世に現れて、街頭のモノクロテレビに映る力道山の姿に皆が酔いしれてから約半世紀が経ちました。ご法事に出向いても、どこのお宅も、今や大型カラーテレビがデンと置いてあります。日本人が引っ越しをするときにまず持っていくもの、引っ越しをしてまず設置するもの、いずれも一位はテレビです。それほどに、私たちの生活とテレビは切っても切れない間柄になっています。
しかし、一昔前までは、家庭の中心はお仏壇でした。神道の家庭は神棚でした。引っ越しの時も、家庭でのあらゆる行事の時も、まずお仏壇が中心でした。しかし、知らず知らずのうちに、それに変わって家庭の中で絶対的な位についたのがテレビです。
幼稚園の園児が、「私のお母さんは、朝の忙しい時間に、テレビのワイドショーの占いコーナーを全部見るのに必死なの」と言っていましたが、まさしくそれを示しています。
やらせ番組や作られた感動ドキュメント番組など、数えればきりがないのに、依然としてテレビへの信用性は揺らぎません。
テレビが悪いということではありません。テレビはありとあらゆる情報をふんだんに伝えてくれる文明の結晶とも言うべきものですが、問題は内容が真実かそうでないかということよりも、いかに人々の興味をそそるか、人の目を奪うかということが最優先されるものであることを、常に心しておかねばなりません。
いかに人の興味をそそるか…ということは、いかに人の欲をかき立てるか…ということに他なりません。人の欲は正しい教えを持たないと無限大に広がります。
自分たちが創り出した文明の利器に、いつの間にか支配されてしまっていることに気付く智慧だけは持ちたいものです。
2005年07月01日【14】