5月16日~忘れてはならない尊い姿
朝夕と日中の寒暖差がきびしい毎日です。
さて先日、NHKの『鶴瓶の家族に乾杯』という番組を見ていましたら、鶴瓶さんが、いつものように街角で偶然出会った人の家に行く映像が流れていました。 訪問した家族に招かれた鶴瓶さんが、玄関を上がり真っ先に行ったのがお仏壇の前でした。
鶴瓶さんはお仏壇の前で静かに手を合わせ、それを後ろで見ていたそのお宅の住人は、「ありがとうございました」とお礼を言われました。
その映像を見ながら、昔は日本のどこにもこのような風景があったことを懐かしく思いました。
そもそもお仏壇は、ご本尊である仏さまを安置した壇ですからお仏壇といいます。そして昔ながらの浄土真宗の金仏壇の形は、お寺で阿弥陀如来が安置されている内陣を模して美しい彫刻が施されています。
つまり、お仏壇は親しき方々が往生された阿弥陀如来のお浄土の世界を形に表したものであり、わが家のお寺というべきところであります。
お寺では早朝、仏さまに朝のご挨拶と、今日も仏さまの願いにかなうような一日を過ごしますとお参りをします。夕べには、今日も多くの方々といのちに支えられながら一日を過ごさせていただきましたと、感謝のお参りをします。
他所様から頂き物をしたらまずお仏壇にお供えをして、感謝のお参りをして、仏さまからのお下がりとしていただきます。
先祖の命日には、家族皆で感謝のお勤めをして、一人ひとりが自らのいのちを深く見つめます。
お仏壇は、私たちの日常生活のあらゆる場面で、心のより所となるものであり、その家の中心となるところであります。
きっと鶴瓶さんはそのことをおわかりだったからこそ、真っ先にお仏壇の前に行きお参りをされたのでありましょう。
私たち日本人が忘れてはならない尊い姿でありました。
2023年05月19日【428】