2023年1月1日~短期、中期、長期の人生
明けましておめでとうございます。今年も「覚照寺・心の電話」をよろしくお願いいたします。
さて昔、先輩方からお仕事を教えていただく中で、「短期、中期、長期の計画を立てて仕事を進めなさい」と言われました。
短期とは今直ちに行う仕事。中期とはすぐではなくても、ある一定期間の見通しを立てて行う仕事。長期とは長い時間をかけて、理想の完成の姿に近づくよう計画を立てて行う仕事であります。
人生も同様のことが言えるかもしれません。若い時には、何でも学ぼうという姿勢で、目の前の仕事に体力の続く限り一生懸命取り組んでいたように思います。中年の時には、家庭や子どものことや自分の健康のことなど、将来のことを少し踏まえてお仕事をしてきたようです。
平均寿命が延びた現在では、初老は六十歳くらいからを言うそうですが、その年になって、いよいよ長期計画を完成させる時期が近づいてきました。
新年早々ではありますが、「あなたのいのちはどこに向かって生きていますか」と問われた時に、あなたはどのようにお答えになるでしょうか。
嬉しいこと楽しいこと、悲しいこと辛いことを重ねてきて、人生の長期計画の完成日が近づいてきている時に、「私のいのちはどこに向かっているのかわかりません」では少し困ります。
年齢ととともに、自分のいのちの帰すべき確かな目標があってこそ、残された人生を安心して送ることができます。あてどなくさまよい、どちらに向かっていけばいいかわからない人生は迷いであります。
お釈迦さまは、人生の長期計画の最終目標、つまりいのちの帰すべき目標を「極楽浄土」と示してくださいました。まことのしあわせあふれるさとりの世界であり、親しき方と再び会える世界でもあります。
今年一年、またこの真実の目標をしっかりと定めるために、お寺でお聴聞を重ねましょう。
2022年12月31日【419】